尾道の佃煮を全国に販売 川原食品株式会社(屋号:尾道佃松)利益を出せるギリギリのラインを攻めるのがコツ       

今まで知らなかった新しい媒体への出稿が増えた。           インターペーパーは新規顧客獲得手段と割り切る

〈お話を伺った方〉

川原食品株式会社

営業部 通販企画部

若松 繁昌様

※本記事の取材日:2021年12月1日(リモートで行わせていただいております)

―御社の創業について教えていただけますでしょうか。

若松 繁昌様(以下、敬称略):創業は昭和21年です。昆布の佃煮をメインとした食品メーカーです。広島県の尾道は平安時代から港町として栄えていました。様々な食材が各地域から運ばれてきます。その中に北海道の昆布があります。当社はこれに目をつけ、北海道昆布の佃煮を製造しています。昆布以外にも瀬戸内海の魚介類を仕入れて、佃煮などに加工しています。

―御社の売り上げ構成比をお伺いできますか。

若松:卸販売が約7割、残り約3割が個人販売です。個人販売の内訳はオフラインが9割、オンラインショップが1割です。オフライン広告では、御社のインターペーパーをはじめ、新聞やフリーペーパーで全5段広告、4社連合広告等、毎月10~15本ほど掲載しております。

―通販事業開始の経緯を教えていただけますか。

若松:きっかけはお客様からの問い合わせです。小売店で購入されたお客様が直接お買い求めになるのです。これで潜在的な需要に気づきました。卸での事業は価格競争などによって一時期売り上げが危なくなる時があります。B2Cならばその心配はありません。個人向けの販売を進めるテストとして、まずDMを送ることから始めました。本格的に通販を始めたのは約15年前です。オフライン広告を中心に新規のお客様を増やしていきました。

―インターペーパーの導入経緯をお聞きできますでしょうか。

若松:媒体社さんから、成果単価の決め打ちの成果報酬型で、オフライン広告の打診が来ておりました。しかし費用が見合わないため、話が進みませんでした。

御社からお電話いただいた際、同じような仕組みだと推測していました。ですが、実際お話を聞く中で、インターペーパーは、成果報酬単価を自社である程度決められる点が非常に良く、リスクが少ないのであればすぐにでも始めてみたいと思いました。

―導入部分で懸念点はありましたか。

若松:どんな媒体に掲載されるのか、そぐわない媒体があるのではないか、自社の広告が選ばれるか不安はありました。加えて、適正な形で成果のカウントが取れているのかも気になりました。

―導入の決定打は何でしたでしょうか。

若松:正直、懸念点が解消されていませんでしたが、リスクが低く、やってみないとわからなかったので、テストで実施をしてみようとなりました。

―導入後の成果やインターペーパーを活用してのメリットはございますか。

若松:非常に満足しております。広告担当者として、純広告だと部数に広告費が見合うのかを考えて、出稿を検討しないとならないのでとても悩みます。一方で、インターペーパーは成果単価が決まっているので、広告費を悩まなくてよいので広告の選定が楽になりました。

 良いサプライズもありました。十何年とオフライン広告を実施していますが、知らなかった媒体社と出会えたのです。インターペーパーを使わなければ出会えませんでした。本当に感謝しております。

―御社が感じられている、インターペーパーのデメリットはございますか。

若松:正直満足しています。デメリットはないです。強いて言えば、掲載日があいまいなところです。弊社はインターペーパーの特徴がわかってきたので、受電体制等準備を整えております。ですが、他社様でインターペーパーを使うときは準備をしておかないといけないのかなと思いました。

 受注スタッフからの改善点はありますね。問合せと2回目以降の問合せもカウントされてしまう点です。理解はしているのですが、気持ちの部分で気になる部分があると感じました。加えてお客様の電話番号が電話のディスプレーに表示されない点。聞きそびれや途中で切れてしまった際に電話番号がわからず困ります。

―現在の御社の集客方法について教えていただけますか。

若松:オフライン広告とインターネット広告、そして、ありがたいことに口コミです。肌感覚ではございますが、オフライン7割、ネット1割、口コミ2割ぐらいかと思います。

―インターペーパーを利用して新規のお客様はどのくらい増えましたでしょうか。

若松:1年半で約4000人のお客様が増えました。

―お電話からの購入率はどのくらいでしょうか。

若松:インターペーパーから入ってくるお電話は9割ほど受注に至っています。他のオフラインの通販広告も同じくらいの割合です。

―インターペーパーからのお客様のリピート率はどのくらいでしょうか。

若松:25%でした。他、オフライン広告でのリピート率は、20~30%くらいです。なので、インターペーパーでもほぼ純広告のリピート率と変わらないです。

―新規のお客様に対して、最終的に引き上げたい商品はございますか。

若松:お中元・お歳暮が忙しすぎて、逆に他の時期は売上の半分以下の時もあり、波があります。弊社としては、日常的に買っていただく模索しております。

また、定期便や頒布会にチャレンジしておりますが、正直あまりうまくいっていないのが現状です。

―購入されるお客様の層はどのような方々でしょうか。

若松:通信販売の会員で年齢が開示していただけいる平均は、70歳です。受注を聞く限り、女性のほうが圧倒的に多いです。

―電話の受注対応はどのようにされていますか。

若松:お客様に寄り添って対応しております。また、広告商品からの、アップセルやクロスセルはしておりません。単品での注文のお電話の際、広告内に記載されている「4個以上で送料無料」についてはお伺いします。

―リピート顧客のための施策はどのようなことを行っていますか。

若松:お試し商品を送付する際、その商品の説明パンフレットを同梱しております。商品を理解していただけるように。2回目以降も購入していただけるような販促物や送料無料などができるような商品の案内などもお送りしております。1,2回と損をしても、それ以降で利益が取れるような仕組みにしております。

―DMはどのような内容で、いつ頃送っていらっしゃいますか。

若松:年間7回送っております。お中元・お歳暮が勝負なので、力を入れております。それと春夏秋冬で送っております。

―弊社並びに、インターペーパーの改善要望はございますか。

若松:現状、改善頂く点は思いつきません。

ただ、インターペーパーの活用を検討されている企業様に向けてお伝えしますと、インターペーパーはいくらリスクがないと言っても、利益が取れるラインや注文がこないような商品価格設定にしてしまうと、媒体社様からオファーも来ませんし、続けて掲載していただけないと思います。利益を出せるギリギリのラインを攻めて挑戦していくことが大切だと思います。儲けるわけではなく、あくまで新規のお客様を獲得するための手段として使っていくことを考えていただきたいと思います。

―御社の今後の展望についてお聞かせください。

若松:手作業の製法、継ぎ足しのたれ、自信をもった商品ですので、より多くの方へ商品を提供できればと思っております。これからもインターペーパーやオフライン広告を出していき、たくさんの方へ弊社の商品を食べていただきたいです。

―この度は、誠にありがとうございました。